JR加古川駅メインストリートをずずいと南に歩んで行くと、右側の筋に寂れたアーケード街が。寂れたなんて失礼なんだが薄暗いんである。この部分が道案内ランドマークとして使えるほどに。おそらく地元民だけで地域経済が回っていた時代にはここが町の中心で活気あふれる商店街であって、地域の人々にとっては楽しい思い出が一杯の場所にちがいない。んだが俺は異邦人。
これが「加古川一番街じけまち商店街」である。
その商店街のアーケードに全天候防護されつつずーっと西方面にすすみ太い道路を渡ると、創業明治33年てな看板がオーラを放つ「丸万本店」360°どこから見ても老舗なうどん屋さんである。
うどんそば以外にも加古川名物かつめしのラインナップがミーハー感を覚えるも、この店構えなんで逆に「和のかつめしとやらを魅せてもらおうではないか!」とチャレンジブルな気持ちが高ぶります。
かつめし(880円?)うん、落ち着いたお味、薄味ではなく馴染む系。たぶんフライ系が重くなるお年頃の方々でもこのテイスト&分量は最適なのではないでしょうか。
俺みたく腹は9割9分9厘埋まってないと落ち着かない系男子であれば、140円?でミニうどんorミニそばの追加も可能(丼もの注文者限定)なので、1回の来店でかつめしからうどんまでこの店の実力を測れるという事である。そして合格。うどんもそばも最近流行な専門店というよりも、地元のうどん屋さん、といった懐かしい味わいである。
そしてここのエポックメイキングな箇所、メニューに「オムライス」があるのである。ここは老舗の看板、日本人が考える「道」や「職人」といった言葉に甘えず、洋食を取り入れる気概があるのである。それはうどんが食べたいおじいちゃん、丼が食べたいおとうさん、そして孫はオムライスで笑顔に。万人を受け入れ満腹にする地元に愛されるお店が前提条件です、という高らかな宣言に他ならない。それが明治33年創業の重みなのである。
ちなみに丸万支店、丸万総本店、本家丸万、東丸万、西丸万、なんてのは無いようです。